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全員が同じ方向に向かって船を漕いでいない――。これはチームスポーツの世界においては、極めてネガティブな状況だ。

 ネマニャ・マティッチとファン・ギジェルモ・クアドラードは、「チェルシーを出たい」という意思を明確にしている。どうやら2人はセリエAで、それも揃ってユベントスでプレーしたいらしい。

 マティッチはもう1か月もユーべと接触を続けており、代理人のヴラド・レミッチもすでにそれをオーナーのロマン・アブラモビッチに伝えている。

 ところが、マティッチを重要戦力と考えているアントニオ・コンテ新監督が拒否権を発動。先日の会見でも「マティッチは私にとって非常に重要な選手だ。彼自身もそれを分かっていると思う。世界屈指のミッドフィルダーのひとりだろう。彼は売らないよ」と明言している。

 ポール・ポグバのマンチェスター・U行きが決まれば、ミラレム・ピャニッチ(ローマから)に続く主力級のMF(筆頭候補がマティッチだ)の獲得に向かう予定のユーベの前には、かつての自分たちの指揮官が立ちはだかっているというわけだ。はたして、セリエA王者はこの強固な壁を崩すことができるか。

 クアドラードも状況は似ている。なにしろ当時フィオレンティーナにいた彼を獲得してくれなかったことが、ユーベ監督辞任の理由のひとつになったほど、コンテはこのスピードスターを気に入っている。

 しかし、こちらは指揮官の思惑通りにいきそうにない。昨シーズンはユーベにレンタルされた彼がイタリアに残りたいのは、個人的な事情から。コンテはそれに理解を示し、移籍を容認する姿勢を見せている。

 このウイングにはユーベ以外に、フィオレンティーナ時代に師事したヴィンチェンツォ・モンテッラを新監督に招聘したミラン、さらにインテルも獲得に動こうとしている。新たな展開が待たれるところだ。

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=17754

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